『「青春」の二文字の中に「月日」があった』というフレーズについて揉めてるらしい
少し前から、こんなネタが話題になっているそうです。
どういうことかと言うと、ある作家さんが「永遠と思い込んでいた青春の文字の中に月日があった」という短歌をネットで発表したところ、それを悪名高い無断転載アカウント(@Copy__writing)に盗用され、さらにそれを漫画家の末次由紀さんがお気に入り登録した上で、自身の作品「ちはやふる」に使用していたという話。
RTされたので再掲。画像①2010年10月9日初出の私の短歌を、画像②copy writingが無断転載して、画像③それを漫画家の末次由紀さんがお気に入り、画像④さらにそれを漫画の中の台詞で使う。ちなみに私には何の説明もありません。 pic.twitter.com/B6wldGMGnT
— 逢 (@ai_thankyou) 2016年12月25日
問い合わせに対し 「ちはやふる」発行元の講談社は、「この漫画のシーンは作者の高校時代のエピソードを使用したものだ」と回答し、もともと聞き覚えのあるフレーズだったという説明をしたらしく、それに対してパクりだとかパクりじゃないとか侃侃諤諤やってるようです。
そもそも「青春」の中に「月日」はあるのか?
パクリ論争はひとまず置いといて、私が気になるのはそもそもこのフレーズ自体がナンセンスじゃないかということ。
「春」の部首は「日」なのは間違いないです。これはオッケー。
しかし「青」の部首は「月」なのかというと、それは違います。「青」の部首は「青」そのものなのです。
実際調べてみても、「つき・つきへん」の文字の中に「青」は含まれていません。
単に部首の構成だけの話じゃないかと突っ込まれそうですが、そもそも青の下の部分は「月」ではなく、旧字体「靑」の「円」が変化して“月っぽく”なったもの。
そのため、「月」とは違い、左の縦線(一画目)を払わず、まっすぐ下ろす線を用います。
この部分はあくまで「円」の変形であって、「月」ではないのです。
旧字体「靑」はかなり前に常用漢字から外されてしまいましたが、現在でも「鯖」や「錆」などに名残があります。
見た目が「月」に似てるからこだわらなくても…
…という声が聞こえてきそうですが、言葉や文字から情緒を感じさせる短歌・詩文において、漢字の意味やつくりの扱いはとても重要だと思うのです。
ビジュアルだけ捉えて別の文字扱いするのでは、漢字をただの記号と扱ってるわけで、脳トレクイズと同レベル。
「新大阪にオナラが隠れてる」ってのと同じ発想ですよね。
もともとピント外れてる短歌だったわけで、それをパクった(かもしれない)漫画さんもなんだかなぁと。個人的にはそんなに大騒ぎすることではないのではと思うのです。
青春の中にあったのは「月日」ではなく「円日」だった
こちらが今回の結論。
青春の中で円相場の日足チャートをにらむFX高校生みたいな話になりました。
そういえば、そんな漫画もありますね。